特設コラム
特設コラムSPECIAL COLUMN
Vol.1もし「基準点測量」がなかったら?
自分が今いる位置が分からない?!
基準点とは、地球上の位置や海面からの高さが正確に測定された三角点や水準点、電子基準点などと呼ばれる基準のこと。地図を作る際やさまざまな測量の基準となるものです。それを測量する「基準点測量」とは、すでにある基準点から新しい基準点を設置するために、その位置を測定したり、設置されている基準点の成果を更新したりすることをいいます。
- 三角点
- 水準点
- 電子基準点
その方法は、スマホを使ったことがある人ならなじみがあると思いますが、GPS(位置情報サービス:グローバル・ポジショニング・システムの略)などの測量機器で測定します。GPSは、もともとアメリカ国防総省が軍事目的で開発した衛星測位システムでしたが、1990年代からは民間にも普及し始め、現在ではカーナビやスマホアプリなどに広く使われています。地図アプリを使うと、自分が地球上のどこにいるかを知ることができるように、人工衛星から送信された信号をカーナビやスマホなどの受信機が受信して、それをもとに、受信機と人工衛星との間の距離を測定します。4つある人工衛星と受信機の距離が測定できれば、それがひとつに交わる点が計算されて、今いる位置が分かるというしくみです。
基準点測量はすべての測量の基礎であり、これがなければ、すべての位置関係が分からなくなってしまいます。また、公共測量や地籍測量、地殻変動観測といったさまざまな測量ができなくなるだけでなく、都市計画や都市基盤整備、電力・ガスの事業計画や管理、観光開発、交通網の整備、環境管理、福祉計画などに必要な地図の作成もできなくなってしまうでしょう。