霊岸島水位観測所
霊岸島水位観測所(れいがんじま-すいい-かんそくしょ)は、東京都中央区新川にある観測所です。
1880(明治13)年測量の地図種別「2万迅速図・仮製本」図名「麹町区」をみると、ここは隅田川の河口にあたり、これより海側は現在の佃二丁目以外に目立った土地はなく、東京湾の平均海面の観測には絶好の場所でありました。
1909(明治42)年には、現在の勝どき四丁目まで埋立がすすんでいます。
観測所の設置は、1873(明治6)年。
水位を観測するための「量水標」が設置されました。
1873(明治6)年6月から1879(明治12)年12月にかけて、4ヶ月の欠測期間を除いた毎日の満潮時と干潮時の水位を観測してその平均を求め、さらにその平均を求めました。
その結果、1.1344mが得られ、これが東京湾平均海面となりました。
この結果をすぐ近くに設置した「内務省地理局水準標石(霊岸島旧点)」に取り付けて、ここから水準測量を行い、現在の日本水準原点を設置しました。
また、A.P. = 0m(荒川工事基準面)も、この霊岸島水位観測所での観測に由来します。
この水位観測所のゼロの値、つまり、T.P. -1.1344m = A.P. 0mという関係があります。
当時の量水標はありませんが、モニュメントが設置されています。
近くには、一等水準点「交無号」が設置されています。
(地理院地図では、標高3.2m)
■ アクセス
JR京葉線・東京メトロ日比谷線 八丁堀駅から徒歩約12分
東京メトロ有楽町線 新富町駅から徒歩約15分
※自家用車は、近くの駐車場を利用してください。
■ 参考文献
長谷川昌弘・川端良和:改訂新版 基礎測量学, 電気書院, 2010.
国土地理院(http://www.gsi.go.jp/)
現地に設置されている案内板
■ 次回予告
水準点