日本経緯度原点
日本経緯度原点は、国内で位置(緯度・経度)に関する測量をする基準となる点のことです。
測量法第十一条第一項第三号に「測量の原点は、日本経緯度原点及び日本水準原点とする。ただし(以下略)」とあり、同第四号には「前号の日本経緯度原点及び日本水準原点の地点及び原点数値は、政令で定める。」とあります。
政令である測量法施行令第二条第一項に、日本経緯度原点の数値を定めています。
一 地点 東京都港区麻布台二丁目十八番一地内日本経緯度原点金属標の十字の交点
二 原点数値 次に掲げる値
イ 経度 東経百三十九度四十四分二十八秒八八六九
ロ 緯度 北緯三十五度三十九分二十九秒一五七二
ハ 原点方位角 三十二度二十分四十六秒二〇九(前号の地点において真北を基準として右回りに測定した茨城県つくば市北郷一番地内つくば超長基線電波干渉計観測点金属標の十字の交点の方位角)
この数値は、平成23(2011)年の東北地方太平洋沖地震による地殻変動により、改定したものです。
日本経緯度原点は、東京タワーの西側にあります。
もともと、ここには東京天文台がありました。
天文台のなかに経緯度観測の観測台である「子午環」があり、その中心を日本経緯度原点と定めていました。
しかし、関東大震災によって崩壊し、昭和36(1961)年、子午環の中心だった位置に金属標を設置し、日本経緯度原点を再現しました。
万が一、金属標が失われたとしても、周辺にある引照点を使うことで復旧することができるようになっています。
さて、原点方位角とはなんでしょう。
方位角とは、その点を通る子午線(真北)からみた右回りの角度のことをいいます。
つまり、原点方位角とは、日本経緯度原点を通る子午線からみた、つくば市の国土地理院内にあるつくば超長基線電波干渉計観測点(VLBI観測点)への角度のことです。
1度=3,600秒なので、この方位角は3,600,000分の1度の単位まで求められています。
ちなみに、VLBIアンテナは昨年解体されましたが、VLBI観測点は現在も存在します。
(参考文献)
・長谷川昌弘・川端良和:改訂新版 基礎測量学, 電気書院, 2010.
・国土地理院ホームページ
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