三角点
三角点(triangle point)とは、地図を作成する上で位置(緯度・経度・標高)の基準となる点です。
■ 三角点の設置
三角点は三角測量により設置されました。
まず、「基線」とよばれる文字どおり基本となる線の長さを測ります。
次に新しい点を設けて三角形を作り、内角を測ります。
これから三角関数を用いて辺長を求めて、新しい点の位置を求めます。
最初の基線は、明治15(1882)年から観測が始まった「相模野基線」です。
一等三角点「下溝村」(神奈川県相模原市南区)と一等三角点「座間村」(神奈川県座間市)を結ぶ直線を正確に測量し、5,209.9697m(確率誤差0.00293m)と求めました。
ここから、一等三角点「長津田村」と一等三角点「鳶尾山」を設けて角度を測り、辺長を求め、相対的な位置を求めました。
これを繰り返して、三角網(三角形で構成された網)を形成します。
相模野基線の三角点は、地理院地図で「基線北端点」「基線南端点」と記されています。
一等三角点「下溝村」
一等三角点「座間村」
近畿地方には、滋賀県高島市の饗庭野演習場内に「饗庭野基線」がありますが、基線をつくる2つの一等三角点がともに「処置保留」(なんらかの理由で私用できない状態)となっています。
■ 三角点の種類
基線から始まり、各地に設置された三角点には、一等から四等まであります。
この等級は優劣を表すものではなく、構成する三角形の大きさ(となりの点までの距離)によるものです。
※例外的に、「五等三角点」が沖縄県に2点あります。
ここでは、大阪府内にある三角点を紹介しましょう。
● 一等三角点
大阪府堺市にある一等三角点「蘇鉄山」は、一等三角点が設置されている山のなかで最も標高が低いところにある三角点です。
近隣の一等三角点は、生駒山、六甲山、金剛山、葛城山にあります。
● 二等三角点
大阪市港区にある二等三角点「天保山」は、国内で2番目に低い山である「天保山」に設置されている三角点です。
※東日本大震災による津波の影響で、宮城県仙台市にある日和山が最も低い山になりました。
● 三等三角点
学校近くの長居公園には、三等三角点「苅田」があります。
身近なところに三角点があるかもしれません。
三角点がどこにあるかは、地理院地図(国土地理院提供)で見ることができます。
【次回】電子基準点
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