ウイルド T2
測量器械「ウイルド T2」とは、スイス Wild社(現ライカ社)製で、国土地理院認定の1級セオドライトです。
■ セオドライト
セオドライトとは水平角と鉛直角を測定する測量機のことです。
日本の測量を管轄する国土地理院では、基本測量(測量法第四条に規定)に使用する測量機器の性能基準を定め、特級、1級、2級、3級の4段階に分類しています。
■ T2の特徴
T2は、1924年から製造され、1956年には改良型が出ました。
当初は倒像(天地逆に見えること。)でしたが、後に正像型(目で見たとおりに見えること。)になりました。
近畿測量専門学校では新旧併せて4台保有しています。
この器械では、水平角と鉛直角が1秒(1度=60分、1分=60秒なので1/3600度)単位で測定できます。
よって、三等三角測量(点間距離 約4km)や四等三角測量(点間距離 1〜2km)をはじめとする高精度の測量に多く使用されました。
■ 仕様・性能
・望遠鏡:正像式
・倍率:標準接眼レンズで30倍(特注接眼レンズに取り替えると40倍、24倍、18倍)
・対物レンズ有効径:40mm
・100mでの視野:29m
・最短合焦距離:2.2m
・スタジア乗数:100
・スタジア加数:0
・気泡管感度
・・丸形気泡管:8′/2mm
・・平盤気泡管:20″/2mm
・自動鉛直補正機能
・・設定精度:±0.3″
・・作動範囲:±5′
・ガラス分度盤:360°式
・目盛盤の直径
・・水平目盛:90mm
・・鉛直目盛:70mm
・目盛間隔:水平鉛直とも20′
・光学式マイクロメータの最小目盛 :1″
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