日本水準原点
日本水準原点(にほん-すいじゅん-げんてん)は、国内で高さ(標高)に関する測量をする基準となる点のことです。
測量法第十一条第一項第三号に「測量の原点は、日本経緯度原点及び日本水準原点とする。ただし(以下略)」とあり、同第四号には「前号の日本経緯度原点及び日本水準原点の地点及び原点数値は、政令で定める。」とあります。
その政令である測量法施行令第二条第二項に、日本水準原点の数値を定めています。
一 地点 東京都千代田区永田町一丁目一番二地内水準点標石の水晶板の零分画線の中点
二 原点数値 東京湾平均海面上二十四・三九〇〇メートル
日本水準原点は、国会議事堂近くの憲政記念館前庭にあります。
水準原点庫は国内でも数少ない「大日本帝国」の文字が残る建築物です。
設置当時は24.5000mで、設置した年月(明治24年5月)からその値になったいう説があります。
しかし、大正12(1923)年の関東大震災による地殻変動で24.4140mに、平成23(2011)年の東北地方太平洋沖地震により現在の24.3900mに改定されました。
基準である「標高0m」は東京湾平均海面のことで、神奈川県三浦市にある油壺験潮場で長期にわたり観測し、その平均値を採用しています。
水準原点庫は普段は施錠されていますが、年に一度(測量の日記念として、毎年5〜6月)、一般公開が行われています。
近畿測量専門学校では、隔年の東京研修旅行で水準原点庫を見学しています。
平成29(2017)年12月、すぐ近くに電子基準点「東京千代田」が設置されました。
■ アクセス
東京メトロ日比谷線他 霞ケ関駅(出口A3a)より徒歩約8分
東京メトロ有楽町線 桜田門駅(出口2)より徒歩約6分
【次回】油壺験潮場
(参考文献)
・長谷川昌弘・川端良和:改訂新版 基礎測量学, 電気書院, 2010.
・国土地理院ホームページ
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